はとぶん

旅するゲームプロデューサーの妄想ブログ

はじめてのゲーム企画

いまの会社を受ける際に、履歴書以外にゲームの企画書を出す必要があった。もちろん、これまでの人生でそんなものを書いたことはなく、企画書の書き方なんて知るわけもないし、そもそもゲームの内容なんて小学生のとき以来考えたこともなく、何もかもが初めて尽くしの企画となったわけだ(そんなヤツがなぜゲーム会社を受けたのかはさておき…)。

 そもそも当時どんなゲームが流行りなのか知らないし、どんな技術があって何ができるのかもよくわからん。そういうワケで、下手に知ったかぶって壮大な物語を考えるより、あまり技術を連想させない「アナログかつニッチ」を狙った方がベターであろう。で、そのとき考えたのがオリエンテーリング的なアウトドアの遊びと、SFの世界観をMiXさせたもの。

 

未来からの通信をヒントに、現在の世界で人類の危機を救うべく奔走する!

 

プレイヤーは都内各地に点在するゲーセンの中で該当する店舗を見つけて、実際にそこに訪れて、筐体にアクセスしてフラグをたてる。店舗を利用したオリエンテーリングなのだ(当時放映されていた映画『12モンキーズ』から発想を得たと記憶)。

画面には目的地の未来のビジュアル(崩壊した姿)が映り、そのビジュアルから次の目的地が何処なのか?ヒントを得る。例えば崩壊した街並みに横たわるモアイ像を確認したら、そこが渋谷と推理する。そして渋谷のゲーセン行き、そこで筐体にアクセスして次の目的地のヒントをもらう。そんな感じで都内をぐるぐる回って1日楽しめる。デートに最適!そんなコンセプトをぼんやり考えていた。当時はキャリングできるGPS端末などなく、まさかそれをを持ち歩くという時代が来るとは思いもしなかった。

 

その企画はある日(当時上司だった)中部長から直々に返却されたのだが、ページをめくった瞬間に顔から火が出た。「いっそ殺して下さい!!」と泣いて懇願するほど恐ろしく恥ずかしい内容だった。

まあ業界的な常識、知識や技術にとらわれない自由な発想で考えたこと、初めての企画でターゲットやプレイスタイルを考えていたこと。ユニーク性を狙ったことなどが、見た人に評価されたのであろう(まあ少なくとも興味は引いたのであろう)。

 

入社してからも数々の恥かしいゲームを企画し、黒歴史の束を着々と積み上げているのだが、それらも追々このブログで紹介していきましょう(ネタが無い時にでも…)。