はとぶん

旅するゲームプロデューサーの妄想ブログ

『GOROGOA』が素晴らしい件について

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たまには仕事絡みのネタを書きます。
最近インディーズゲームに興味を持ち、大手メーカーでは作らなさそうな物珍しいモノをいろいろ漁ってます。そこで絵本の様な何とも魅力的なビジュアルの『GOROGOA』というゲームを発見。思わずジャケ買いしてみる。(ジャケ買いができる価格設定もインディーズの魅力だね!)

 さて、ネタバレにならない程度に中身に触とくと…
あえてジャンルを絞るなら、こいつは"パズル"。アドベンチャーゲームという見方もできるが、ロジックを解き明かすという意味では、やっぱりパズルだと思う。

ルールと目的を説明すると…
「絵を繋ぎ合わせてストーリーを進行させる」ただそれだけ。

絵をつなげる導線として、主人公キャラやオブジェクトの動きの連続(向かう方向とか)、絵のヌキの形が他の絵の形にはまる/はまらない、ちょっとしたロジック・物理法則などが用意されている。
つまりピタゴラスイッチなのだが、世界観が特殊なので「観念的な結びつき」を連想する必要があり、つまり想像力が必要なわけ。

 

さて所感といいますか、クリア後の感想を述べますと「素晴らしい」です。
「絵の中の気になるポイントをタップしたり、奥行きのあるパズルピースを動かすことで絵的なロジックを成立させて物語を進行させる」
ちょっと触ればすぐにこのルールや世界観を受け入れることができる。パズルによって組み合わさった絵に動きがついて物語が進んでいく演出が何とも秀逸!『時のオカリナ』の、絵画から出現するファントムガノンに初めて会った時と似たような興奮。
いちゲームデザイナーとして「よくこんな世界が想像できるな!」と、ただただ畏敬の念を抱くわけです。

 

まあでも「人選ぶんだろうな…」という感はあり。
攻略が単一というだけで、この手のゲームをやらない人も多いかと。
(シナリオアドベンチャーとか苦手な人は相性悪いかも)

まあ多少わかりづらい仕掛けもあるっちゃあります。
時間制限が絡んだりすると、「んもう!」って気持ちになるし、導入部分はもう少し理解しやすいギミックが欲しい(それこそピタゴラスイッチ的な)。
お話とかテーマに関してはあえてコメントを避けておきます。もう一回プレイするとも少し違い感想が出てくるかも。

それでも費用対効果は非常に高い作品かと(iOS版は600円)。
ゲームデザイナーを志す人にとっては、これもまた教科書となるゲームのひとつなので、是非お試しあれ!